錦保険スタッフブログ

主に保険のポイント、お役立ち情報等を発信しています。尚、ブログは初心者の模様(笑)

火災保険の「明記物件」にご注意を!

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皆様こんにちは。

11月も最終日を迎え、平成29年も残り1ヶ月となりました。
街中も電飾が付き始め、いよいよ年末だなと実感する今日この頃でございます。

さて、皆様は「明記物件」という言葉をご存知ですか?
住宅用の火災保険を「建物」「家財」に契約しても、実は補償されないものが家財の一部に存在します。
所定の金額を超えた貴金属や美術品などを家財とは別に明記しないと火災保険の家財一式に含めることができないのです。
これを「明記物件」といいます。


■火災保険における明記物件とは?



明記物件についての定義についてですが、火災保険における一般的な明記物件については、所定の金額を超えた貴金属や美術品等が保険証券に明記されていない場合、保険の目的に含まれません。
これを「明記物件」といいますが、具体的にどのようなものが該当するのでしょう。

・貴金属、宝玉および宝石ならびに書画、骨董、彫刻物その他美術品で、1個または1組の価格が30万円を超えるもの
・稿本、設計図、図案、証書、帳簿その他これに類するもの

つまり、ご家庭にある貴金属や美術品などで30万円超の高価なものや希少価値の高い美術品などは火災保険引受上のリスクもあるので別途記載して保険の目的に入れてもらうというのが基本的な考え方になります。

以前の火災保険では現物に加えてその明記物件の金額を証明する書類(鑑定書など)が火災保険の契約上は必要でした。
最近では各社ともに火災保険は少し条件が緩く変わってきているようです。


地震保険と明記物件



明記物件と地震保険の関連性ですが、地震保険の約款でもこれらのものに類することが記載されています。
通常地震保険の保険の目的は「建物および生活用動産」に限られます。
ところが、この生活用動産に含まれないものが列挙されています。

・通貨、有価証券、預金証書または貯金証書、印紙、切手その他これに類するもの
・貴金属、宝玉および宝石ならびに書画、骨董、彫刻物その他の美術品で1個または1組の価格が30万円を超えるもの
・稿本、設計図、図案、証書、帳簿その他これに類するもの

火災保険と同じことが記載してあるように感じますが、注意すべき点がございます。
地震保険においてはこうした明記物件と言われるものは保険の目的に含まれません
別途明記して契約するとかではなく、含めることができないのです。


■明記物件と勘違いしがちなもの


1個または1組の価格が30万円を超えるものというと、自宅にあるプラズマテレビや高額な家具などをイメージして、30万円以上の物はすべて火災保険の対象にならないのかと勘違いしてしまう方がいらっしゃいます。
家財に火災保険をつけていることが前提ですが、電化製品や家具などは家財一式の中に含まれます。


■明記物件はなぜ別にするのか?


それではなぜ明記物件をあえて分けて契約するのか。
ずばり、明記物件に該当するものは金額の評価が難しいものばかりなのです。
先程の例のプラズマテレビならメーカーや型式、購入年月などが分かればある程度の金額が分かりますね。

それに対して絵画などは金額の設定が難しいのです。
極端な例ですが、ピカソゴッホの絵ならば金額が公になってますので算定できるかもしれませんが、無名の画家の絵では500円でも買わないかもしれません。

火災保険の家財は、このテレビがいくらで、この家具がいくらでというように個別に家財を記載して契約するわけではなく、家財一式1000万などというように一式で契約しますので、金額の評価が難しいものは家財とは分けて契約するのです。



■賃貸物件で明記物件に該当する場合


賃貸物件用の火災保険は、一般住宅なら2年間で保険料1万円や2万円などのセットプランになっているのが一般的です。
簡単にいうと補償をカスタマイズして増やしたり減らしたりはできないことがほとんどです。
もし明記物件に該当するようなものがある場合は、セットプランではなく火災保険を別に契約して個別のプランを作成してもらうよう相談してみて下さい。


■まとめ


明記物件について書いてみましたが、実は損保各社の火災保険の対応が統一されているわけではありません。
大事なことは、高額な貴金属や美術品などを所有している場合は、事前に損保会社や代理店に相談するということです。
親切な代理店であれば、家財の火災保険を契約する際に該当するものはないかを確認してくれます。
nishikihoken.hatenablog.com

明記物件については忘れがちなところですので、該当するを所有している場合新たに購入した場合、逆に明記物件としているものを売却した場合などは火災保険内容の変更を申し出ることを忘れないようにしましょう。

大谷