錦保険スタッフブログ

主に保険のポイント、お役立ち情報等を発信しています。尚、ブログは初心者の模様(笑)

築20年以上のマンションにお住まいの方は注目です!

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皆様こんにちは。

10月も下旬を迎え、朝晩は10℃前後まで下がり、冬の気配さえ感じられる時期になりました。
上旬は暖かい日が続きましたが、中旬以降は台風の影響もあり雨が続き、急に寒い日が続いてますね。


さて、マンションにお住まいの方は気になることですが、マンションの管理組合が加入する「マンション総合保険」の保険料が相次いで引き上げられています。
建物の老朽化が進み、水漏れなどで保険金の支払いが膨らんでいることが原因と言われています。

マンション購入は購入時の価格に目を奪われがちですが、今は購入後の管理費修繕積立金の将来的な上昇など、ランニングコストにも注目した購入計画が必要になります!
せっかく購入したマンションに安心して住み続けるために知っておきたいマンションの管理リスクについて書きたいと思います。



「マンション総合保険」とは?


「マンション総合保険」はマンションの共有部分を一括して補償するマンション管理組合のための火災保険です。

共有部分とは、マンション建物本体の共有部分と、付属建物や施設等、マンション管理組合の規定等で定められた部分にあたります。

管理組合が加入者(被保険者)となって、住居者からお預かりしている管理費から保険料が支払われています。

補償内容は個人で加入する火災保険と同様に、掛捨てまたは積立で「火災」「落雷」「破裂爆発」に備える
基本補償と、火災後の片付け費用などに備える「費用保険」があります。
また、施設の欠陥や管理の不備による事故に備える「施設賠償責任保険」、専有部分の配管からの水漏れやベランダからの落下物などによる事故に備える「個人賠償責任保険」等の特約で備えることができます。
火災保険とのセットで地震保険に加入することも可能です。

保険金額は個人向けの火災保険と同じく新価額・実損払いで補償されます。
新価額とは適切んあ価格の補償を付けると同等のものを新しく再築・再取得するための保険金が支払われる価格です。
1回の支払いで契約額100%の支払いに満たなければ、実際の損害額に応じた保険金を何回でも受け取れます。

保険料はマンションの立地・構造・面積・築年数・戸数・管理状況・入居状況・補償範囲等個々の条件により大きな差があります。
2015年以降、損保会社各社の保険料改定があり、新築では10%程度保険料が下がる例があるものの、築20年以上では6割以上保険料が上昇したマンションも数多く存在します
また、大都市圏の同程度の物件でも築20年では新築の4倍近い保険料になるなど、保険料の差が広がっています。



なぜ保険料が値上げされたのか?


国土交通省の調査によると、全体の約65%のマンションが何らかのトラブルを抱えており、そのうちの約31%が建物の不具合を抱え、建物のトラブルの約半分は水漏れという結果になっています。
つまり、マンション全体の約1割は水漏れトラブルがあるということになります。

水漏れトラブルは給排水管などの劣化が原因で起こる場合が多く、築年数20年以上のマンションが全体の半数を占めるようになり、マンションの老朽化が進んだことが背景の一つとなっております。

日経新聞の記事によれば、ある大手損保会社の最近5年間のマンション総合保険の保険金の支払額は1.5倍に増加、損保各社20億円前後の赤字とのことです。
老朽化したマンションに対する保険金の支払いが増えていることで、築年数が古い物件は一部補償を引き受けない保険会社もでてきました。

引き受けしない補償の例
・築20年以上の個人賠償責任保険の引き受け
・築20年以上、築25年以上など築年数が経ったマンションの引き受け
・水漏れ原因調査補償の引き受け
・保険金支払いが多いマンションの引き受け

特に築20年以上のマンションや過去に何度も事故があって保険金支払いが複数回あるマンション、入居者が少なくなり空室が多いマンションなどの引き受けは今後ますます厳しくなっていきそうです。



築年数が古いマンションの対策は?


以前にもブログで記事にしましたが「築年数は経っているが、メンテナンスはしっかりしている!」というマンションにピッタリの保険商品が「マンションドクター」です。
nishikihoken.hatenablog.com

分譲マンションを「住まい」を目的として購入した場合、20年以上住み続ける場合がほとんどです
築20年以上になってもしっかり管理して共用部分の保険を付けるための対策を考える必要があります。

修繕積立金をしっかり準備し、定期的な水漏れ点検や修繕や計画に沿った大規模修繕を行うことで大きな損害発生を食い止めることができます。
そしてそれは保険金の支払いを抑えることになり、結果的に保険料を抑えることに繋がるのです
リスクを保険会社頼みにするのではなく、住民と管理組合の意識が将来のマンションの価値を左右すると言えるでしょう。

大谷