錦保険スタッフブログ

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【火災保険】「盗難」と「万引き」の違いは?

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こんにちは!

前回このような記事を書きましたので、その続きの「盗難」と「万引き」に違いについて書きたいと思います。


nishikihoken.hatenablog.com




ある時お客様からの問い合わせで「盗難」と「万引き」の違いを教えてほしいと言われました。

その時は、強盗や泥棒が「盗難」で、お店でこっそり商品を盗むのが「万引き」というようなことをお答えしました。

かなり曖昧な答えですね。

 しかし、広い意味では強盗も空き巣も万引きも金品を盗むという意味では「盗難」なのです。ただ、
損害保険において「盗難」は補償されますが、万引きは補償されません。

何が違うのか調べてみました。

まず、Wikipediaから「盗難」と「万引き」を調べてみました。

「盗難」では検索かけても出てきません。「窃盗」で出てきます。

窃盗(せっとう)とは、窃かに盗むこと、あるいは単に盗むことをいう。暴行(強盗)・脅迫(恐喝)・欺罔(詐欺)といった手段による場合は含まない。倫理的・道徳的に反社会的行為とされ、また、法的にも、不法行為責任および刑事責任の根拠となるのが通常である。
また、日本法においては、正しくは「他人の財物を窃取すること」をいう(詳細については窃盗罪を参照。)が、法令用語としてはさらに「窃盗を犯した者」即ち「窃盗犯」の意味で用いることもある。

窃盗 - Wikipedia



「万引き」とは?

万引き(まんびき)とは、窃盗の手口の一種。商業施設において店員の目を盗み、対価を支払わずに無断で商品を持ち去る行為を指す。

万引き - Wikipedia




万引きは、盗難の一種という位置づけになっています。


次は、損害保険どうなっているか。
大手損保の損害保険約款等を調べてみると「盗難」と「万引き」を以下のように定義しています。




 < 盗難保険(動産総合保険)における「盗難」と「万引き」の違い >

① 不法侵入性があるものが「盗難」・・・補償される
不法侵入性があるものとは、立入が禁止されているところへ無理やり侵入し盗む行為と解釈されます。

例えば、留守の家に侵入し、金品を盗む空き巣や、お店の店員がいるのに押入り金品を要求する
強盗があたります。逆に言うと、収容場所に不法に侵入しなかったものが行った行為は「万引き」にあたる可能性が高いわけです。

例えば、お店で店員のスキをみて盗む行為は「万引き」にあたります。

② 盗むまでの行為が平穏である状態が「万引き」・・・補償されない
盗むまでの行為が平穏である状態とは、盗まれるまで普通の状態であることが「万引き」の条件です。
つまり、盗まれるときまで、盗まれることが分からない状態があることが「万引き」です。

例えば、お店をしめて、あとから商品が盗まれていたという状態ばかりでなく、お店をあけてて、商品
を盗まれた状態も「万引き」です。

また、店員が商品をポケットに忍ばせた行為は目撃できなくても、不審に思い声をかけたら逃げた状
態でも、あとで調べて商品がなくなっていれば「万引き」です。

さらに、腕時計を店員にみせてもらい、腕に付けたまま走って逃げた場合も「万引き」に該当します。

しかし、犯人が分かっていて逃げられた場合も「万引き」として保険金が支払われないのはどうでしょ
うか。このような場合は保険会社に「盗難」ではないかと交渉する余地はあると思います。



 つまり、その不法行為が「不法侵入」なのか、その不法行為に「暴行」や「脅迫」が加わっていたのかが問題というわけです。

 例えば、主催者が知らない間に招待客に展示物を盗まれた場合は、補償されない可能性が高いということです。

 例えば、腕時計を見せて欲しいと言われ、腕時計を付けたまま逃げられた場合も補償されない可能性が高いということです。

 仮に、腕時計を付けたまま逃げられた場合に、捕まえようとした店員が殴られた等の暴行行為があると、逆に補償される可能性が高くなりますね。

 確かに、ケースバイケースだと思いますが、「不法侵入」「暴行」「脅迫」がこの問題のポイントと言えるのではないでしょうか。



実際にあった保険では対応できなかった一例ですが

ある店の店主が盗難の被害にあいました。朝店に来てみると、一部商品が盗まれていることに気づいたそうです。

数日後、「犯人は現場に戻る」ではないですが、もう一度不審な人物がいたそうです。そして持ち出された為現行犯にて逮捕。

被害届は出していたものの、その日の被害品は回収できましたが、前回の被害品は戻ってきません。

保険では、無くなった日と捕まえた日では別事故と考えます。

つまり、この容疑者に対して賠償してもらう以外、事実上補てんは難しい状態で、店主は泣き寝入り状態でした。


保険にてすべてのリスクをカバーするのは難しいですが、リスクを分散させる手段の一つとして考えることが大事です。


渡部