錦保険スタッフブログ

主に保険のポイント、お役立ち情報等を発信しています。尚、ブログは初心者の模様(笑)

共同住宅にお住まいの方は共用部分に関心を!

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皆様こんにちは。

関東地方では今週に入って日中30℃を超える日が続いて、夏が戻ってきてしまったかのような天気ですね。
しかし、朝晩との温度差がありますので体調には十分お気を付け下さい。

さて、ご存知の方も多いかと思いますが、火災保険や地震保険は建物や家財の火災や自然災害による損害などを総合的に補償してくれる、いわば住まいの保険ですね。
マンションの場合、専有部分と共用部分があるため、保険の掛け方も複雑になります。

共用部分の保険は管理組合任せで、ともすれば無関心になりがちですが、共用部分も区分所有者の財産ですから区分所有者全員の理解が必要になります。

専有部分共用部分との関わり合いを中心にマンションにかける火災保険について書きたいと思います。


■マンションでのリスク


保険は何かが起きた場合の経済的な損害を補填してくれるものです。
保険そのものの話の前に、マンションでの生活の中にある、経済的な損失を伴う様々なリスクを挙げてみます。
火災や爆発による損害
地震や台風などによる自然災害
盗難
漏水
他人にケガをさせてしまった
落雷で家電が破損した

一戸建てに住んでいる場合でも、火災や自然災害など同じようなリスクがありますが、
マンションにはマンション特有のリスクも存在します。
例えば、漏水の場合は部屋の中に損害が出るだけでなく、階下に被害が出てしまう可能性もあります。
マンションの外壁が剥がれ落ちて通行人にケガを負わせてしまったなども考えられます。
隣接して住む人がいる集合住宅だから起きる被害や、自分が注意していれば良いだけではないようなことが、マンション特有のリスクと考えられますね。

マンションでのリスクから発生する経済的損失は、損害保険でカバーできるものも多々あります。
保険を考えるうえでは、まずリスクについて洗い出し、所有者・住居者各々がリスクに対する備えの重要性を認識することが大切になります。


■専有部分と共有部分の契約


マンションでのリスクを考えるうえで複雑になる要因の一つが、専有部分と共用部分に分かれていることでしょう。
専有部分での事故等の責任は所有者となり、共用部分での事故はマンションの管理組合となります。
しかし、管理組合はそもそも区分所有者が組合員となっているので、結局は所有者全員に関わることになるのです。

損害をカバーしてくれる火災保険については、専有部分は区分所有者が、共用部分は管理組合が契約します。
専有部分に火災保険を付保するかどうかは区分所有者である個人の自由です。
しかし、共用部分についての火災保険の加入は、実はマンションの管理規約によって「管理組合の義務」として定められていることがほとんどですので、原則加入しなくてはなりません。
火災保険の新規締結や補償内容を変更しての締結は、総会での決議が必要となります。



■専有部分と共用部分の境界は管理規約で確認を


共用部分とはどこの部分を指すのかを明確にしておきましょう。
通常はエントランスホール・廊下・階段・エレベーターホール等の「専有部分に属さない建物部分」とエレベーター設備・給水設備・排水設備等の「専有部分に属さない建物の附属物」、管理事務室・集会室等で管理規約で「共用部分の範囲」としている部分が共用部分にあたります。

なお、各々の個室となる専有部分と共用部分の境目についても、火災保険では重要になります。
国土交通省が作成した「マンション標準管理規約(単棟型)」によると、専有部分の範囲について「天井、床及び壁は、躯体部分を除く部分を専有部分とする」と定めています。
つまり、専有部分と共有部分の境目は、壁・天井・床の内側とするということで、いわゆる「上塗基準」と呼ばれるものです。

現在は多くのマンションがこの標準管理規約を使用しているので、ほとんどのマンションで該当するでしょう。
「上塗基準」のほかに「壁芯基準」を採用しているマンションもありますので、管理規約で専有部分と共用部分を確認しておくとよいでしょう。


■共用部分の補償内容を知っておこう!


共用部分の火災保険の補償内容を把握している人は少ないかもしれません。
しかし、専有部分の補償との関係が深い部分もあるので、各区分所有者も共用部分の補償内容を知っておくべきでしょう。
例えば、個人賠償責任保険は共用部分の保険で区分所有者全員が対象となっていれば、マンション内での事故だけでなく、外出先で他人の物を壊してしまったり他人をケガさせてしまったなど、マンション外での賠償責任も補償してもらえるのです。
この個人賠償責任保険は個人の火災保険や自動車保険にも付帯することが可能なので共用部分の保険に付帯していることを知らないと、重複して加入してしまうことになります。
ただし、共用部分の保険で加入している場合には、保険金額がいくらなのかを確認しておきましょう。
このように個人の保険とも深く関わり合う部分もあるので、途中で補償内容を変更した場合でも影響が出ることが考えられますので、各区分所有者が共用部分の補償内容に関心を持つことが重要になります

大谷