錦保険スタッフブログ

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住宅火災の出火原因は?

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皆様こんにちは。

12月に入り寒さが一段と厳しくなってきましたが体調を崩されていませんか?
空気も非常に乾燥しているこの時期に注意すべきことは体調管理と火事!
ということで、今日は住宅火災の出火原因について書きたいと思います。

喫煙者自身以外に副流煙による他人への健康被害にも大きくスポットライトが当てられているタバコのリスクですが、実はそれ以外にもいくつかの無視できないリスクが存在します。
その一つが自宅や就業場の火災で主要な発生元になりうることです。

そこで今回は火災全体状況に関して、消防庁が毎年発表している【「火災の状況」(確定値)】を元に実情を確認していくことにします。


■2015年の出火原因は放火、タバコ、コンロの順

最初に示すのは年ベースでの最新データにあたる2015年分の出火原因の内訳。
最大値を示すのは放火で4033件、ついでタバコの3638件となった。

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※出火原因の内訳(2015年 火災件数)

放火は年々その件数、全体に対する比率を減らしつつあるものの、今なお最大の件数にあります。
単純計算ではあるが、毎日11件ほど放火による火災が発生している計算になります。
さらに「放火の疑い」まで含めると、なんと全体の2割近くの約6500件にまで達します。

次いでタバコ。多分に不始末によるもので、こちらは3600件ほど。
タバコの喫煙率が減少していることもあり、件数・比率共に減少しているが、上位陣にあることに違いはありません。
さらにコンロ、放火の疑い、焚き木と毎年変わらない顔ぶれが続いています。

件数比率で見ると放火やタバコの不始末は多少の上下を繰り返しながらも、おおよそ減少傾向にあります。
一方、焚き木などのように振れ幅が大きい出火原因も多く、全体数としてはやや大きな上下を繰り返しながら減少傾向にあると言えます。

また「その他」項目が3割と非常に多いことからも分かる通り、出火原因そのものは多様化しており、細分化の項目にすら収まらないような出火原因が多々あるということです。


■出火場所と犠牲者
出火原因は放火とタバコの不始末が多いことは判明しました。
では、どのような場所で火災は多く発生しているのでしょうか。
建物の種類別に見た件数は次の通りで、一般住宅(戸建住宅)が最上位についています。
その数なんと...約7800件/年

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※建物用途別建物火災件数(2015年 上位)

次いで共同住宅が3774件と、住宅火災が多分を占めていることが分かります。「特定複合用途」とは2つ以上の用途に用いられる建造物のことで、そのうちの用途の1つが劇場や集会場、飲食店、病院、旅館、養護学校など特定の用途に該当するものを指します。(特定用途に該当しない複数の用途に用いられる建物は「非特定複合用途」)
特定複合用途は1階が飲食店で2階以上がオフィスのようなビルを指します。
大規模火災などが報じられる場合が多いため、工場や作業場の件数も多数に登るように思えますが、実際には1598件と順位の上では4番目に留まっています。

最後は火災のうち住宅で発生したものに関して、その火災で命を落とした方の世代区分別割合です。(年齢不詳は除いて再計算しています)

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※住宅火災死者(放火自殺者等を除く)における年齢区分別割合

高齢者の数・全人口比は増加している傾向にありますが、それでもなお人口構成比に高齢者の割合が大きく、さらに猛烈な勢いで増加しているのが分かります。
これは運動能力が低下しているなどで逃げ遅れたり着衣に着火してしまうことを起因していることに加え、高齢者の一人暮らし、寝たきりあるいはそれに近い状態の人が増加していること、そして高齢者の中でもより歳を取った人の数・割合が増加しているのも原因として考えられる。

ただし、直近2年に限ってみれば見れば高齢者の比率が減少し、6歳から64歳層の比率が増加しています。これが一時的なものなのか、あるいはトレンドの転換による動きなのかは今年以降の動向を見極めたいところです。

■まとめ

火災事故はすべての宝物を一晩で奪ってしまう非常に影響力の大きい災害です。
火が付きやすいものを外に置かないことなどの配慮は勿論ですが、日常生活でも火の用心は欠かせません。
特にお年寄りがいる世帯では寝たばこをしないよう心掛ける・うながすなどの様々なルールを設けて、万が一の際の備えが必要と言えるでしょう。
「火」そのものは非常に便利で生活に欠かせないものですが、同時に大敵ともなりうる「諸刃の剣」というこも忘れないようにしましょう。

大谷