錦保険スタッフブログ

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【地震保険】地震に備える②耐震改修について。

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こんにちは!

前回、耐震診断について書きました。診断しただけでは、建物自体は何も変わりません。
耐震改修促進法という法律があり、国の政策として行っています。知らない人も多いのではないでしょうか。
今回は、耐震改修について書いていきたいと思います。



●耐震改修について

1970年代に建てた自宅の耐震診断をしたところ、新耐震基準を全然満たしていないことがわかった場合に、大地震で倒壊する可能性があるので耐震改修工事をしたいのですが、具体的にはどのような工事で、費用はどれくらいかかるのでしょうか。



1.戸建ての場合

主に中小工務店が建てる木造軸組工法の住宅の場合、地震の揺れに耐える「耐力壁」の強度を上げる工事をします。柱、梁などの構造が歪まないよう斜めに筋交いを入れて接合部をしっかり固定しその上から構造用合板を張ることが多いです。

某リフォーム会社では、「旧耐震の木造一戸建ての場合、10か所ほど壁を補強する工事が多い」といっています。費用は構造部分だけで80万~90万円かかり、さらに工事の為に一部はがした天井や床などを元通り仕上げるコストが上乗せされます。内装に影響をあたえないように押し入れの奥の壁を補強することも多いようです。

このほか、重い瓦ぶきの屋根をスレートや鋼板にふき替えると耐震性能が上がります。日本建築防災協会によると、ふき替え費用の目安は屋根の面積1㎡あたり15000~20000円。鉄筋が入っていない古いコンクリート基礎を補強する工事もあるようです。
日本建築防災協会の調査にでは、耐震改修工事の費用は100万~150万円が最も多いようです。


参考:日本建築防災協会


評点を新耐震基準を満たすように上げる工事は一般に自治体から数十万円の補助金が出るため、所有者の実質的な負担はこれより少なくなります。



1.マンションの場合

マンションは鉄骨アルミで組み上げた「ブレーズ」と呼ばれる耐震部材を外側に増設して揺れにくい構造にする事が一般的です。しかし、ブレーズでバルコニーから眺めが遮られたり、住み心地に影響したりする可能性もあります。施工会社は「一部の住戸だけが大きな不利益を被らないよう公平性を重視して設計する」といっています。

1階が駐車場などになっていて壁が少ない「ピロティ」構造のマンションは、大地震で1階が上層部に押しつぶされる被害が目立ちます。1階の柱を銅板や繊維シートで巻いたり、柱の間にブレーズを新設したりすると耐震性能が上がります。

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マンションの費用は目安がはっきりしないようです。東京建設業協会によると、延べ床面積5000㎡の鉄筋コンクリート建物の耐震改修費用は構造部分だけで7500万円~2億5000万円ほど。マンションでは居住しながら工事しなければならないので、配管の移設など付帯工事が重なるとコストがかさみやすいようです。

参考:(一社)東京建設業協会

一般的にマンションが新耐震基準に相当する為に行う改修工事であれば、自治体から補助金が出るようです。
2013年の耐震改修促進法の改正で主な緊急輸送道路沿いの旧耐震の建物は耐震診断が義務付けられました。いずれ結果も公表されることになっているようで、耐震改修工事を、具体的に検討するマンションも今後増えそうです。



1.まとめ

耐震改修工事の費用の目安

■一戸建ての場合(木造軸組工法)
 ・全体で100~150万円が多い。
 ・外壁の補強は1か所13~15万円。
 ・屋内の壁は9~12万円。
 ・屋根のふき替えは1㎡あたり1万5000~2万円。
 ・旧耐震は自治体によって数十万円の補助金が出る。

■マンションの場合
 ・延べ床面積5000㎡で7500~2億5000万円(構造部分のみ)
 ・配管などの工事が必要な場合もある。
 ・旧耐震は一般に自治体から補助金が出る。


地震保険も大切ですが、まずは身の安全を確保することが大切です。
こうした改修工事をすることによって地震保険の割引も適用できる可能性があります
大震災はいつ起こるかわからないので、様々な予防策を立てるのが大切なのではないでしょうか。



渡部