上乗せ労災保険の各種業界のポイント②
こんにちは。
もうすぐ本年度も終わります。
節目の時期で送別会など多いですが、体調管理(主に二日酔い対策)をしっかりしていきたいです。
みなさん、どんな二日酔い対策をしているんですかね。
私の場合は、ヘパリーゼが良く効く気がします。
病は気からともいうので、対策したって思い込むことがいいように思いますけど、実際のところはどうなのでしょう。
そのうち調べていきたいと思います。
さて前回の続きになります。
上乗せ労災の業界ごとのポイントです。
■飲食業の場合
●飲食業の労働災害は、施設内での「転倒」や包丁を使用中の「切れ・こすれ」が全体の過半数を占めます。
その他、調理場でのヤケドや、宅配ピザなどではデリバリー中の交通事故も多くなっています。
●パート、アルバイトなどの入れ替わりの激しい(経験の浅い従業員が多い)ため、死傷者数の過半数が経験年数3麺未満と、他の業種と比較しても高い傾向にあります。
●正社員は少数(外食チェーンの中には店員1人だけが正社員であとはパート、アルバイトという店舗が珍しくない)ですが、近年長時間労働による過労死の問題がクローズアップされてます。
※長時間労働により労働災害は高額賠償につながる可能性がありますので、使用者賠償責任は必ず付けた方が良いです。
■小売業の場合
●小売業の労働災害は、施設内での「転倒」や、重たい荷物を急に持ち上げるといった「無理な動作」が全体の過半数を占め、時に長期休業につながるような大きな災害も発生しています。
●小売業においてもパート・アルバイト率が非常に高く、その分正社員の長時間労働が課題となっています。
■サービス業の場合
●介護事業
介護事業は人手不足であり、「介護スタッフさんの福利厚生」を充実させる必要があるかと思います。
優秀な方に長く働いてもらうために福利厚生を充実させることは大事です。
●警備業
警備業は、「機械警備(大手社)」「常駐警備」「交通誘導(中小警備会社)」等に分けられますが、特に工事現場の警備を請け負う交通誘導主体の警備会社では労災対策の保険のニーズが高くなっています。業務中の交通事故死亡者が多く、全国警備業協会では会員企業宛に事故予防の通達を出しています。
●ビルメンテナンス業
ビルメンテナンス業にとって、労災対策は必須です。特にビル清掃部門は人手に頼る部分が大きく、パート・アルバイトの比率が高くなっています。清掃業者の主な労災事故は次の通りです。
①窓ふき清掃の際の転落事故による死亡が年間一定数発生している。
②ビル清掃のワックスがけ作業の際、床が滑りやすくなり転倒による骨折事故が多い。高齢の作業者が多く完治に時間がかかる。
●美容院
美容院のスタイリスト(ハサミを持ちカットするスタッフをスタイリストと呼ぶ。ハサミをまだ持てない若手はアシスタントと呼ばれる。)は、指をケガし後遺障害になったらスタイリストとしての仕事はできないと言われています。
近年よく見かけるペットサロン(ペットの美容院)では、トリマーの手指のケガ(なれないペットが噛む)が多く、お見舞い金的なニーズが高くなっています。ちょっとした噛み傷でも感染症の心配があるため抗生物質の注射をうつ必要があり、大型犬の場合は数針縫うケガもあります。
■IT業界の場合
IT業界など、従来型の労災事故の心配がない業界では、長時間労働による過労死や精神的ストレスによる過労自殺の労災リスクが増加していますので。使用者陪諸責任のニーズが高くなっています。
●「過労死」と呼ばれる長時間労働による脳疾患・心疾患等
2001年に過労死認定基準が緩和され「発症前1か月間に100時間を超える残業時間」「発症前2~6か月間に80時間を超える残業時間」が評価の目安になっています。
●「過労自殺」など精神的ストレスに起因する精神疾患およびその結果としての自殺
1999年に「精神障害に関する労災認定基準」が出され、認定に要する時間が短縮されました。
2006年には、労働安全衛生法の一部改正が行われ、「長時間労働者への医師による面接指導の実施」「メンタルヘルス指針」が策定されています。
精神疾患、自殺の原因は主に次のとおり。
①上司からのパワハラ、虐待、いじめを受けて自殺するケース
②優秀な労働者が処理しきれない膨大な業務を引き受けさせられるケース
IT業界は、納期に追われる業務の為多忙な時期は残業、徹夜が常態化します。小規模なソフト開発の会社の中には、不規則な勤務などにより精神疾患に罹患率が高くなっています。
※参考までに
過労死ラインとは
過労死ラインとは、日本において、健康障害リスクが高まるとされる時間外労働時間を指す言葉で月80時間が目安とされています。1か月の労働日を20日とすると1日4時間の時間外労働が続く状態をいいます。
「脳血管疾患及び虚血性心疾患等(負傷に起因するものを除く。)の認定基準について」
発症前1か月間におおむね100時間または発症前2~6か月間にわたって、1か月当たりおおむね80時間を超える時間外労働が認められる場合は、業務と発症の関連性が高いと評価できるとしています。
中小企業では過労死ラインを超える残業が多く、経営者としても問題であると認識している方が多いと思います。
いかがだったでしょうか。
各業界ごとにポイントはあると思いますが、近年の時代とともに注意するポイントは変わってきている印象があります。
経営者の方も従業員の方も双方が考えていかなければならない事だと思います。
何かあってからでは遅いので、加入の検討や見直しなどしていただく事をおすすめします。
渡部
上乗せ労災保険の各種業界のポイント①
こんにちは。
かたあげポテトの「のり味」ってご存知ですか?
ずっと「のり塩味」だと思っていましたが、正式には「のり味」でした。
すごく美味しいんで近頃よく食べています。
食べ過ぎには気を付けないと余計なお肉が…
手で食べると脂が手につくので袋から直接食べるようにしていますが
行儀がよくないので、一人でいる時だけにしています。
上乗せ労災についての業界ごとのポイントを書いていこうと思います。
■建設業の場合
建設業は労災事故が多く、従来から労災上乗せ保険が必需品となっている業界のため、よく営業がくるのではないでしょうか。
また、復興需要ややオリンピックでの建設工事の増加により、人手不足から不慣れな労働者が増えていることも業界の課題となっています。
●足場や屋根などからの墜落による死亡災害が、建設業の死亡災害全体の4割を占める
建設業の死亡災害として、墜落事故は約4割と圧倒的に多く、また建設機械と土砂崩壊・倒壊で全体の約2割を占めています。
※建設業は建設業法上28の許可業種がありますが、大きく
土木・建築工事業などの総合工事系
電気工事業、管工事業などの設備工事系
塗装工事、防水工事業などの識別工事系
の3つに分ける事ができます。
土木・建築系は墜落・転落事故。設備工事系は墜落・転落事故に加え感電事故。識別工事系は巻き込まれ、窒息等。事故形態にも多少の違いはあります。
これらの事故は、重大事故につながりやすく高額賠償のへの備えが必要です。
●一人親方(特別加入者)・委託作業者の労災の問題
建設業は、1つの工事に対し、数次の下請け会社(元請け会社→1次下請会社→1次下請会社)が携わるのが一般的であり、下請けの中には、一人親方が多数就業しています。
※業界として発注者から元請→下請の重層下請分業システムで、99%は中小零細企業です。だからこそコスト面を踏まえた労災リスクに対する企業防衛制度は重要になります。
一人親方は、政府労災保険が任意加入(特別加入制度)であるため、労災事故の際に最低限の補償もないといったケースがあります。また、警備員などの委託作業者は元請け会社と請負関係にはないので、元請け会社の政府労災では補償の対象とはなりません。
●経審(経営事項審査制度)の加点評価になる
上乗せ労災は「経審」(=公共工事の入札に参加する建設会社の企業力を審査する制度)の加点対象です。
日新火災の「労災あんしん保険」は「労働福祉の状況」の項目で15点加点されます。
このために、加入している事業者も多数いるでしょう。
■運送業の場合
●荷主企業に対し弱い立場のトラック運送業者は、やむを得ず法外な長時間労働をドライバーに課すことがあります。
またドライバーも低い賃金を長時間でカバーしようとする傾向があるため、長時間労働(=過労運転、恒常的な長距離運行で疲労が蓄積し、注意力散漫、居眠り運転につながる)が後を絶たず、重大な交通事故を引き起こす原因となっています。
●フリート契約の自動車保険を加入の場合、保険料の削減(搭乗者傷害保険カット)することができます。通勤中の事故、荷物の積込み・積み下ろし中の事故、梱包やフォークリフトによる事故も対象となる為、搭乗者傷害保険よりもカバー範囲が広くなります。
※運送業者の業務上災害の内訳として、運転中よりも積み下ろし作業中等の高所からの転落事故などが多い実態にあります。
■製造業の場合
製造業も建設業とともに労災事故の多い業界です。
●事業規模の小さい事業者に事故が多い
事業規模別の労働災害発生件数では、従業員数30名未満が全体の45%近くを占めており、比較的事業規模の小さい事業者に労働災害が多く発生している状況です。
事業規模が小さい事業者の場合、賠償金を工面するための資金面で余裕がない事も想定されます。
●機械設備による死傷事故が全体の約4割を占める
製造業の場合、機械設備などによる「はさまれ・巻き込まれ」や「切れ・こすれ」が労災事故全体の約4割を占めます。
経験年数の浅い従業員やパート主婦が多い事も要因ではないでしょうか。
「はさまれ・巻き込まれ」事故は後遺障害に繋がりやすい為、高額賠償に備えて使用者賠償が必要です。
●派遣労働者の労災問題
製造業における派遣労働者の就業割合は全産業中最も多く、全体の派遣労働者の約26.4%(32万人)が製造業に従事しています。中小企業への派遣も多く、熟練した従事者が少ない為、事故が多いのが現状です。
派遣労働者に対しては、派遣先に指揮命令権があるため、派遣先が安全管理の責任を負います。
他に飲食業、サービス業、IT業とありますが、次回へ続きます。
渡部
事故を起こしてしまった時の初期対応
皆様こんにちは。
先日、東京で桜の開花宣言が出ましたね。これは平年より5日ほど早いそうです。
他県ではまだ開花していない所が多いようですが、あと10日ほどで見ごろを迎えるそうです。
お花見の予定を組まれている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
本日「3月24日」は「世界結核デー」です。
世界結核デーは世界保健機関が1997年に制定しました。
1882年の今日、ドイツの医師であり細菌学者でもあるロベルト・コッホ博士が結核菌を発見しました。
その後、医学の進歩で克服されたかに見えていた結核が再び猛威を振るい始めたことから、結核の撲滅を目指して結核抑圧への協力を世界中に呼びかけています。
日本では9月24日から30日を「結核予防週間」としています。
先日、あるお客様から「自動車事故を起こした」と連絡をいただきました。
幸い双方にケガはなく物損事故になりましたが、事故を起こした直後ということもあり、かなり動揺されている状況でした。
交通事故に巻き込まれないで済めば、そうありたいものですが、事故やトラブルはある日突然起こるものです。
また、人生の中でそう何度も経験することではないので慣れるものではありません。逆に慣れてしまっては困ります!
車を運転するということは、常に事故を起こす可能性があります。
大切なのは、事故を起こしてしまった時にすべき初期の対応です。
後になってから「あの時ああするば良かった...」と後悔するケースは多いようです。
以前のブログでも少し触れましたが、交通事故の対応方法について書きたいと思います。
■交通事故で加害者になってしまったときの対応
1、交通事故が発生したら、まず負傷者を救護
2、警察への届出は必ずする
3、事故現場の状況を確認
4、相手方との連絡先の交換
5、損害保険会社へ事故の報告
6、被害者にお見舞いとお詫びを
1、交通事故が発生したら、まず負傷者を救護
交通事故は大きく分けて、人身事故と物損事故の2つです。
人身事故の場合、言うまでもありませんが真っ先にしなければならないのは、負傷者の救護と119番への連絡が第一です。
当たり前と思われるかもしれませんが、交通事故を起こしてしまった場合、理屈では分かっていますが慌ててしまってなかなか冷静な判断ができないものなのです。
初動の一歩は警察でも保険会社でもなく、負傷者がいるならまずその救護です。
これは道路交通法でも定められていることです。
次に二次災害の防止です。負傷者がいない場合はここからが初動になりますが、さらに事故が発生しないように、他の車両の交通の妨げにならない場所に車を移動させます。
必ずしも車を動かせる状況にあるとはあぎりません。動かない場合は、ハザードランプの点滅や停止表示機材等を使用して後続車に注意を促します。
特に高速道路では後続車が高速で走ってくるため、車を動かせないようならこれらの処置を取ったら車内に残らないようにしてください。
2、警察への届出は必ずする
警察への届出は、人身事故であれば必須、物損事故であっても基本的に警察へ届けるものと思ってください。
自分の方が過失割合、つまり自分の落ち度の割合が高いと思っていても、冷静に事故状況を検証してみたら実は逆だったなんてこともあります。
事故の事実や状況を形に残しておくためにも警察への届出は必須です。これは自分が加害者でも被害者でも同じことが言えます。
事故を起こした瞬間はパニックになり迷うことがあるかもしれません。迷ったときは基本的な方法を取るようにしましょう。
3、事故現場の状況を確認
警察へ届け出たら、交通事故の状況や場所、負傷者や物の損害の状況などを伝えて指示を受けて下さい。
実況検分が行われると思いますが、事故の状況を分かる範囲で正確に伝えましょう。この時に自分が思うことは意見としてしっかり伝えて下さい。
自分が加害者という状況で、相手が救急車で運ばれるような状況になっている場合、野次馬も集まってきますから事故現場ではさらし者状態になることもあります。
気の弱い人だと、その場から早く逃れたい気持ちで「はいはい」と言って済ましてしまうこともあるかもしれません。
これは非常に危険なことで、後になってから実は状況が違うと言っても主張が通りにくくなってしまいますので、現場でしっかり自分の意見を主張することが大切です。
現場ではなかなか余裕がないと思いますが、目撃者がいる場合はその人の氏名、連絡先、事故の証言などをお願いしましょう。
最近では事故があるとスマートフォンなどで動画や写真を撮る人もいます。加害者側としては面白がって撮影されるのは気分のいいものではありませんが、それでも相手方と主張が食い違うケースでは、第三者の動画や写真などが役に立つことも考えられるので、頭に入れておきましょう。
また、時間が経過すると記憶があいまいになりますし、事故の状況を示すもの、例えば路面のスリップ痕などもなくなってしまいますので、現場の写真を撮るなどして状況を残しておくことも大切です。
4、相手方との連絡先の交換
事故の大きさに関わらず、必ず相手方と連絡先の交換をしておきましょう。
後で損害保険会社へ事故の報告をする際に相手の情報も伝えるとスムーズに進みます。
確認する内容は相手の氏名・住所・連絡先・車の登録番号を聞いてメモしてください。相手の方が名刺などを持っている場合は1枚いただいとくとよいでしょう。
5、損害保険会社へ事故の報告
交通事故に遭ったら、損害保険会社あるいは保険代理店へ事故報告を行ってください。その上で今後の指示を仰いで下さい。
たまに、「軽微な物損事故だから自動車保険は使わないほうがいいだろう」と報告しない人もいらっしゃいますが、保険会社に事故報告した段階で翌年の自動車保険料が高くなるわけではありません。
事故の報告が早くて問題になることはありませんが、遅いと保険会社の対応も後手になってしまいます。
被害者から「対応が遅い!」と言われることは決して良いことではありません。
相手方との連絡先の交換と同様に事故の大きさに関わらず、事故の報告するとともに相談するようにしましょう。
6、被害者にお見舞いとお詫びを
これは事故の早期解決をするにあたって重要なことです。
人身事故の場合、その後の被害者へのお見舞いをすることによって事故解決がスムーズに行われることが多いです。
たまに「保険会社に任せているから」とお見舞いに行かない人がいますが...保険会社は交通事故の示談交渉や事故処理のお手伝いはしてくれます。しかし、最終的に示談をするのは事故の当事者同士なのです。
被害者に後になって「一度もお見舞いに来なかった」と言われても時間は巻き戻せません。加害者が事故を起こしてしまったのは事実なのです。気が重いのは分かりますが、早期解決のためにも誠意を持って相手にお詫びをするようにしましょう。
事故は無いに越したことはありませんが、運転する以上起こしてしまう可能性は常に付きまといます。
いざという時に少しでも冷静に対応できるように上記のことを頭の片隅に入れておいていただければ幸いです。
大谷